P.S. アイラヴユー

『P.S. アイラヴユー』を観る。脳腫瘍で亡くなった夫から届く10通の手紙に導かれ、妻は立ち直り、新しい人生を踏み出していく、という実に心温まる予告編になっていたと思う、トレイラーは。本編の美味しいところは、そちらに凝縮されて入ってしまっているので126分をかなり長く感じる。主演であるヒラリー・スワンクの責というよりは、脚本の不出来によるものだろう。いきなり死去、という冒頭近くの葬儀は何だか出来の悪いコントをみているみたい。アイルランドに旅をするシークエンスも、漂う旅情は皆無に等しく、この種の欠落感が全体の瑕疵を象徴している。

Published on: 2009/3/29

Categories: 映画