単純な場所

sophisticated girl; plain space

シビル・ウォー

『シビル・ウォー』を観る。どうやら大統領が専制的に権力をふるっていたアメリカで、いくつかの州が連合を組んで反乱を起こして首都に攻め入ろうとしている。荒廃したホームランドを旅して、ニューヨークからワシントンD.C.を目指すジャーナリストは、最後は陥落する国会議事堂とホワイトハウスへの突入を目にすることになる。キルスティン・ダンストの久しぶりの主演作で、トラウマを抱えた戦場カメラマンを演じている。

A24の制作なのでヒーローもアクションも存在しないけれど、バーバラ・F・ウォルターの『How Civil Wars Starts』に着想を得たというシリアスな内容で、トランプの2期目を目前とし韓国では非常戒厳にかかわる大統領の弾劾が採択されようというこの時節には、ちょっとシャレにならないと思わざるを得ない。メディアと話をせず、専制的な権力を手放そうとしない為政者が司法に圧力を加えるような世界では、地位を失いつつある人々が武装して自らの信じる自由を追求するようになる。今や、ウォルターのいう内戦の危険因子が実にさまざまな国で出揃ってきているのではなかろうか。ことにアメリカでは。

Published on: 2024/12/7

Categories: 映画