別れを告げない
ハン・ガン『別れを告げない』を読んでいる。済州島四・三事件を題材として、作者自身を思わせる主人公が友人の人生を辿っていく。マジックリアリズム的な語りは、リアリズムがあってこそ際立って、第一部の執拗な雪中描写はジャンルはまったく異なるけれど島田荘司『北の夕鶴2/3の殺人』を思い出したものである。イメージの喚起力はさすがノーベル文学賞というべきか。
国立国会図書館が公開しているNDLOCR-Liteを試してみる。GPUを必要とせず、縦書きでもかなり高精度のOCRを実現するという触れ込みだけれど実際のところかなり優秀で、出力ファイルをコーディングエージェントを使って校正すると、それだけでほとんど問題のないレベルに持ち上げることができる。これが無料というのだから、図書館文化は我が国に希薄なオープンソース思想の守るべき砦と言っていいのではないか。
Published on: 2026/5/9
Categories: 本