誰がスティーヴィ・クライを造ったのか
マイクル・ビショップ『誰がスティーヴィ・クライを造ったのか』を読んでいる。「あるアメリカ南部の物語」という副題にある通り、やや不気味な展開を含む南部ゴシック小説であり、メタ構造をもったホラー小説でもある。巻末に30年目のあとがきという一文がついていて初出は1980年代なのだけれど、タイプライターがひとりでに物語を紡ぐという設定と主人公の反応は、なんとなく今にちの生成AIをめぐる状況を想起させて不思議な感じがしている。現実がいよいよモダンホラー的状況になってきたという気がしなくもない。
Published on: 2025/8/11
Categories: 本