ワン・バトル・アフター・アナザー
『ワン・バトル・アフター・アナザー』を観る。この映画がアカデミー賞の主要な部門賞を受賞しているのには何かしら主張が込められているには違いない。助演男優賞を受賞したショーン・ペンが演じているのはICEの捜査官にしか見えないからには。原作となっているトマス・ピンチョンの『ヴァインランド』は徹底的に解体されていてもはやインスパイアの域にとどまるというのはご愛嬌として、白人至上主義結社が暗躍していたり、米国内で活動する反体制グループがそれなりの組織力で公権力に対抗しているのも、何がしかの願望を反映しているのであろう。
クライマックスの追跡シーンから結末までの流れは、典型的なハリウッド映画っぽさがあって定型に回収されたという印象が強い。シンプルなカタルシスに寄せざるを得ないというのも大作ゆえで、その点ではあまり尖ったところのない作品なのである。
Published on: 2026/4/6
Categories: 映画