いつかぼくが帰る場所
ピーター・ヘラー『いつかぼくが帰る場所』を読む。早川書房刊のポストアポカリプス小説で、8月に公開となるリドリー・スコットの映画の原作だそうである。実際のところ、くだんの映画『ラスト・サバイバー』の予告をみて、原作小説があるということに興味をもった次第。どう考えても小説の邦題の方が情緒があるというものだが、リドリー・スコットによる映像化となれば『ラスト・サバイバー』というタイトルをつけたくなるのもわからなくはない。トレイラーを見る限り、アクション映画寄りの味付けになっているのは間違いないようである。
いずれにしても原題は『The Dog Stars』なのである。もう終わってしまった世界で9年、主人公とともに生き、ややくたびれてしまった犬は主人公の生存の意味さえ規定しているに違いない。こちらといえば、物語の導入から涙ぐみさえするのである。ベン・H・ウィンタース『地上最後の刑事』三部作がそうであったように、どうして終末を描く小説はたびたび犬を登場させるのか、理不尽とさえ思うわけだが、もちろん理由はある。
犬はあらゆる犬はあらゆることができるよう繁殖されて、水に飛び込んで魚を捕まえさえするのに、なぜもっと長生きするようにはしてもらえなかったのだろう? 人間と同じぐらい長生きするように。
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